通所の介護施設に勤める場合、現場での介護に加えて生活習慣の指導も重要な仕事の一つになります。できることなら少しでも自立して生活ができるようになりたいと考えている高齢者もいる一方で、老いゆく中で好きなように生きたいという人もいるため、指導は簡単だとは限りません。
本人の意識が高い場合にはすぐに指導が効果を示すようになっていきますが、そうでない場合には本当に普段から生活に気をつけているのかどうかがわからなず悩む場合もあります。
そのときに重要になるのが家族への働きかけです。生活習慣に関する指導では本人に伝えることよりも家族に支援を促すことの方が重要になることが多く、それを怠ったがために何を言っても無駄になってしまうことはよくあります。一緒に生活している家族が普段から働きかけることによってようやく習慣は改善されるのです。
しかし、家族がそのことを念頭に置いていない場合もあり、本人よりもむしろ家族の意識改革が必要になる場合もあります。施設任せにしてしまう家族がいるのは確かですが、高齢者の健康を守るためには家族の協力なくしてできるものではありません。家族から働きかけをしてくれるように呼びかけるのが重要であり、本人がいかに拒否していたとしてもいずれ改善されるでしょう。状況に応じて家族に対する介護意識についての教育指導を担うのも、介護施設で働く上では必要になるのです。
また、生活習慣指導を行う上で、自分も規則正しい生活を送っていなければ意味がありません。体調管理ができていない人に言われても説得力が無いばかりか、自分自身も負い目を抱いて人に指摘しづらくなります。人の健康を気遣える余裕を持つという意味でも、介護ライフの土台となる生活習慣をきちんと知って実践することが大切です。